さてさて、カネイワ醤油本店には色々な「お醤油」があります。
「何がどう違うの?」と思われてるお客様も多いでしょう。
そこで、このコーナーでは何がどう違うのか!という事をお醤油を搾るところから順番に説明していきます。
先ずは2年寝かせた諸味(もろみ)を右の写真のように布の中に包んで何層にも重ねていきます。
ここまではカネイワではどの「お醤油」も同じ。
ここからの工程が色々と分かれていくわけです。
それによってお醤油の味や種類が変わっていくのです。
布に包んで重ねると、重石を乗せなくても「諸味(もろみ)」の自重でポタリポタリとお醤油がたれてきます。
この自重だけでたれてくるものを集めて、桶に入れます。
その醤油をそのまま置いておくと沈殿物が桶の底に沈みますから上澄みだけをそうっと取り出します。
これが、生のお醤油「穀醢(こくびしお)」です。
加熱も何もしていないから、要冷蔵!
室温で置いておくと再発酵(発酵が進む)してしまうので注意してください。
「生醤油(なましょうゆ)」とか「生醤油(きじょうゆ)」とかって呼ばれ方もしてます。
このお醤油は加熱せずに生で味わっていただきたいと思います。
本当にお刺身にとっても良く合うカネイワの本当の味。
本物のお醤油の味なんですよ。
醤油の諸味を布に包んで重ねるのではなく、綿袋に詰め、吊り下げ、自然に染み出た醤油のしずくを桶に入れ、出来た上澄みだけを火入れした、古式しょうゆの上級品。
必ず冷蔵庫に保存してお早めにお召し上がり下さい。
このお醤油は最上の上澄みを加熱処理してあるだけで
何も加えておりません。
本製品はご注文いただいてから数日間お待ちいただく
場合がございます。
詳しくは当店までお尋ねください。
ポタリポタリが止んだら、いよいよ圧搾(しぼり)に入ります。
右の写真が圧搾機、すごい圧力を掛けて布で包んだ諸味(もろみ)を搾っていきます。
搾ったものは桶にため、生醤油と同じように桶の底に沈殿物が沈むのを待ちます。沈殿物が沈みきったら上澄みを取り出します。こうして取り出した上澄みに、火入れという加熱を行います。
加熱を行うことで、お醤油として安定したものになるわけです。
ココまでの作業で出来たお醤油をビンに詰めたものが古式しょうゆ(こしきしょうゆ)です。
何も加えず搾って、加熱しただけのお醤油。
昔ながらのお醤油は全てこの形だったのです。
だから「古式しょうゆ」と名前を付けています。
この醤油は加熱してあるだけで何も加えてません。
だから醤油本来の香りや風味もとても豊かで、どんなお料理にも良く合います。
うすくち醤油と普通の醤油(濃口醤油)の違いは、諸味(もろみ)の違いです。
淡口は通常の醤油と違い、仕込期間が短いのが特徴。
これは、仕込期間が長くなればなるほどお醤油は味わいと共に色が濃くなるからです。
カネイワでは色は薄く、味わいを濃くするために、うすくち醤油は、大豆や小麦の割合を変えた専用の諸味を仕込ます。だから、仕込期間は短くても味わい深い醤油が出来るのです。
薄口醤油(うすくちしょうゆ)はお料理の美味しさや
見栄えを重視する日本料理には欠かせない調味料です。
塩分を控えるために、濃口醤油に比べて少し控えめにお使いになるのがコツです。
搾ったままのお醤油だと塩角(しおかど)がすこし立ちます。ピリッとするやつですね。これが苦手な方もいらっしゃるので、お醤油にまろやかさを出します。そのために
ほんの少しだけ「本みりん」を加えます。
加えるといってもたったの2%。
でも、これだけでずいぶんと口当たりがまろやかになるので不思議ですね。
この口当たりがまろやかにしたものが天然醸造醤油です。
まろやかな口当たり。
塩角が立ったお味はちょっと・・・・
といわれる方でも、そのままお刺身などで美味しく頂いていただけるお味。
もちろん、煮炊きにも美味しく使っていただけます。
【醤油の格付け】
JAS(日本農林規格)では、醤油の品質基準に、含有する窒素分、無塩可溶性固形分(エキス分)、アルコールの量に従って格付けされています。 その中でもっとも重要とされるのが、「うま味」の指標となる全窒素分です。
「標準」(濃口: 1.2%以上、淡口: 0.95%)
「上級」(濃口: 1.35%以上、淡口: 1.05%)
「特級」(濃口: 1.5%以上、淡口: 1.15%)
また、JASの他に日本醤油協会が定めている基準があります。
「特選」: 特級の10%増し(濃口: 1.65%、淡口: 1.265%)
「超特選」: 特級の20%増し(濃口: 1.8%、淡口: 1.38%)
そのほかにも、醤油業中央公正取引協議会が定めるものとして、以下の表示を利用することができるとされています。
上級醤油は「上選」、「吟醸」、「優選」、「優良」
特級醤油は「特吟」や「特製」
日本醤油協会で言うところの「超特選」(特級の1.2倍)の場合、「濃厚」 などの表記があります。